化学物質管理
化学物質管理
インキ原料の多くは化学物質であり、当社では「当社の生産作業者の安全」および「お客様である印刷会社における製品使用時の安全」を確保するため、「原料として使用しない物質」と「適正な管理のもとで使用する物質」を決定し、それぞれのリスクと有害性評価(管理水準1〜4に分類)にもとづいた管理体制を構築しています。
当社が会員となっている印刷インキ工業連合会では、NL規制(印刷インキに関する自主規制)を定めています。NL規制は、人の安全や健康、環境影響の観点から、印刷インキの原料として好ましくない物質を選定し、その使用を禁止するものであり、当社はこの規定に則ったものづくりを行っています。
更に、最新の法改正への的確な対応、新しいハザード情報の入手、EUやアジアの国々に導入されていく化学物質の規制への対応などの課題解決のため、全社の使用化学物質を総合的に管理する化学物質管理システムの導入を行いました。
また当社では、四半期に一度、および国の規制やNL規制の改定時に「化学物質管理委員会」を開催しています。この委員会は、技術本部長を委員長としており、技術本部、物流部門、営業部門、生産部門、管理本部のメンバーが参加し、欧米の化学物質規制なども参考にしながら、化学物質の使用や管理に関する取り組みの改善・強化を進めています。
SDS(安全データシート)の提供
PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)や労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法では、対象化学物質を含有する製品を販売する際には、化学物質の性状や取扱に関する情報を記載したSDSを提出することが義務付けられています。
当社ではサプライヤーからのSDS、不使用証明書、および組成情報により化学物質をデータベース化、作成した製品のSDSは一元管理して営業部門よりお客様へ提供しています。
PRTR対象物質の排出抑制
当社の製造工程から大気に排出されるPRTR対象物質の多くは、タンクなどの洗浄に使用する溶剤が占めています。そのため、2009年度より、洗浄液をVOC(揮発性有機化合物)からNon-VOCに変更するなど、身体や環境への影響の少ない物質への置き換えを進めてきました。埼玉事業所におけるPRTR物質および第2種有機溶剤の年間排出量は、2009年度の41トンから2019年度には3.0トンまでに削減されています。
PRTR物質及び第2種有機溶剤の年間排出量集計(取扱量が1t/年を超えているもの)
大気への排出量(トン) | ||
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2018年度 | 2019年度 | |
トルエン | 2.19 | 1.50 |
1,2,4-トリメチルベンゼン | 0.26 | 0.15 |
1,3,5-トリメチルベンゼン | 0.03 | 0.02 |
キシレン | 0.08 | 0.07 |
エチルベンゼン | 0.01未満 | 0.01未満 |
クメン | 0.01 | 0.01未満 |
ホルムアルデヒド | 0.01未満 | 0.01未満 |
酢酸2-メトキシエチル | 0.01未満 | 0.01未満 |
第2種有機溶剤合計※ | 2.46 | 1.26 |
- ※第2種有機溶剤のうち、トルエンなどのPRTR法対象物質を除いたもの
PCB
当社は、トランスやコンデンサーなど高濃度PCB(ポリ塩化ビフェニル)製品1,285kgを適正保管しています。2020年6月には、外部事業者において適正処理を行いました。